**洗練は、いかに残酷さを覆い隠し得るか。** **ロマンスは、いかにして戦略となるのか。**
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『さかしま』(原題:À rebours、『自然に背いて』とも訳される)は、1884年に発表されたフランスの作家**ジョリス=カルル・ユイスマンス**による小説である。「退廃主義(デカダンス)」文学の究極の例と称されるこの作品は、単なる耽美小説ではない。
物語は、エキセントリックで隠遁生活を送る病弱な審美家、**ジャン・デ・ゼッサント公爵**という一人の登場人物を中心に展開する。貴族の家系の最後の末裔であるデ・ゼッサントは、19世紀のブルジョワ社会を忌み嫌い、自ら作り上げた理想的な芸術世界へと閉じこもろうとする。物語のほとんどは、神経症的な彼の審美的嗜好、文学・絵画・宗教に関する思索、そして超感覚的な知覚体験のカタログで構成される。「退廃的な都市、サロン、そして危険な愛」──趣味、金、名声、そして憧憬が絶えず仮面を入れ替える世界の快楽と危険を、本作は描き出している。
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作者自身が語った、創作の核心
1903年版の序文で、**ユイスマンス**はこう記している。
「当時は自然主義の全盛期であったが、この流派は結局同じ古いテーマを繰り返し、足踏み状態に陥っていた」
さらに彼は、一人の男が現実から遠く離れ、孤独に美の世界へと逃避する物語の構想について、こう続けている。
「夢へと舞い上がり、贅沢な空想の幻想に逃避場所を求め……各章は専門知識の昇華物となり、異なる芸術の洗練となった」
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自然主義から象徴主義へ──越境する影響力
『さかしま』はユイスマンスのキャリアにおける分水嶺となった。労働者階級の生活をリアルに描いた自然主義的な初期作品から一転、本作は自然主義を打破し、象徴主義の美学と深く結びつく作品として結実した。
その影響は文学史にも刻まれている。**オスカー・ワイルド**の『ドリアン・グレイの肖像』(1890年)は、本作から強い影響を受けた代表作として知られている。
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*趣味、金、名声、そして憧憬が仮面を入れ替えるとき、* *「洗練とは何か」という問いが、静かに浮かび上がる。*