『移行期正義促進条例』の施行により、移行期正義の理論を実証法化するニーズが高まりました。本プロジェクトは、同条例が掲げる自由で民主的な憲政の価値を基準とし、過去の権威主義的統治期における不法行為とその結果を解析したものです。単なる理論的検討に留まらないよう、本プロジェクトでは膨大な政治アーカイブを精査し、政府体制と憲法上の基本的人権の2つの側面から分析を行いました。すなわち、実質的法治国家原則が憲政上で強調する「形式的正当性」と「実質的正当性」の両立という観点から、権威主義期の政府体制や諸統治施策が自由で民主的な憲政秩序の基本的要求に違反しているか否かを判断しています。過去を検証することで、同じ過ちを繰り返さず、より良い未来へと進む一助となることを目指しています。