『呻吟語』は、人生の哲理を追究した随筆・語録集です。全6巻のうち、前3巻を「内篇」、後3巻を「外篇」とし、内篇は性命、存心、倫理、談道、修身、問学、応務、養生の8篇、外篇は天地、世運、聖賢、品藻、治道、人情、物理、広喻、詞章の9篇、計17篇で構成されています。博識かつ深い洞察に満ち、著者の社会、政治、世情に対する体験や、真理へのたゆまぬ探求が反映されています。そこには哲理の火花が散りばめられ、当時の衰退する政治や社会風潮への憤りが込められています。臨機応変、実用的、かつ諸派を融合させた思想が特徴です。形式は、思い浮かぶままに記録された随筆体で、文章は柔軟で長短自在、儒教を根底に置きつつ衆知を集め、荘厳さとユーモアを兼ね備えています。寓意性、文学性、趣味性、哲理性が強く、言語は「簡潔で重厚、真実味がある」と評されています。
基本的には儒家思想に基づきつつ、道家、法家、墨家など諸子百家のエッセンスを取り入れ、著者自身の官界での浮沈や世の移ろいに対する独特の感性が加わっています。内容は主に、明朝後期の盛時から衰退へと向かう時期の社会の弊害に対し、利を興し弊を除き、国を立て直すための様々な主張を展開したものです。人生、国家、そして天地宇宙の諸現象に対して独創的な見識を示しており、特に修身養性の面において、著者は独自の視点から深い論述を行っています。