中国娼妓史

中国娼妓史

著 王書奴 原著, 蔡登山 主編

『中国娼妓史』は、中国における娼妓問題を研究した草分け的な著作であり、今日でも多大な学術的価値を持ち続けています。その理由は、著者が社会科学の新しい思想を取り入れ、娼妓を社会史の視点から研究した点にあります。

著者は娼妓史を5つの段階に分類しています。すなわち、巫娼時代(殷商)、奴隷娼妓および官娼発生時代(先秦・両漢)、家妓および奴隷娼妓併進時代(魏晋南北朝)、官妓全盛時代(隋から明)、私営娼妓時代(清以降)です。王朝を境界とするのではなく、より広い視野で独創的に時代を区分することで、各段階の発展の特色を浮き彫りにしています。

著者は各時代の歴史的背景を重視し、政治、文化、社会、経済など多層的な側面から広範に探究し、後世の研究者に明確な方向性を示しました。例えば「唐代の進士と娼妓」「唐代の娼妓と詩」「宋代の娼妓と詞」「元代の娼妓と曲」などは、後に文芸界で「青楼文学」という人気テーマの研究を切り拓き、堅実な基礎を築きました。著者の開拓者としての功績は計り知れません。

本書は史伝を広く調査し、さらには目にする機会の少ない類書、筆記小説、札記に至るまで詳しく引用・実証しています。その手法は「詩をもって史を証する」ものに近く、異なる時代の人々の生活、礼俗、信仰、心理を垣間見ることができます。単に「娼妓」を論じるにとどまらず、華やかな世界の裏側だけでなく、文学史や社会史の広い視野を兼ね備えています。

出版社
秀威出版
発行日
2014-11-01
ISBN
9789863262916

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