本書は特別展「蔡蔭棠―芸術の放浪者」の図録であり、1909年に新竹県新埔に生まれた客家系芸術家、蔡蔭棠の芸術的軌跡を辿るものである。日本統治下での教育による啓蒙から、台湾画壇への参加、そして米国移住後の欧米・アジア各地でのスケッチ旅行に至るまでを網羅。啓蒙と学習、郷土と時代、人物描写、領域横断的な革新、放浪のスケッチ、そして芸術の帰郷といったテーマに沿って、批評、文献、作品索引を交え、20世紀台湾美術における重要な足跡を提示する。また、遺族から寄贈された707点の作品と1500点以上の文献が故郷に収蔵される意義についても詳述している。